うん、てことは、いままで僕たちが慣れ親しんできた、電位の勾配をとるっていうだけの上の式では不十分だった、ってわけなんだ。時間的に変わっていくベクトルポテンシャルを考えていかないと、正確な電場Eは求められない、そう読めるね。
そうだね。第一項はどこかに素電荷がずっと存在しているような静電場に関する式じゃ。では、この第二項に関して思考を深めよう。定常的にずっと動かない素電荷が近くにない状況を考えよう。このとき V = 0 だから、grad V = 0 だね。このとき第一項がゼロとなる。このとき、両辺に素電荷を掛けてみよう。
うーむ、ちからの項が出てきたよ。なんか青色で囲った式って運動方程式みたいだね。
力学でいうと、dp/dt = F よね?つまり、運動量の変化が力を生むのよね。一方、電磁気では、ベクトルポテンシャルの変化が力を生む、って解釈できるわ。
おやおや、面白い考察だね。実際、マクスウェルは、ベクトルポテンシャルを電磁気的な運動量のようなものと位置づけたんじゃ。